中山手通の事務所

手仕事の痕跡が残る、素材を活かした設えとKOBEという洗練された街の中心に位置する空間として、機能的で風格ある佇まいになるように計画しました。
既存の建具は撤去し、庇下まで伸びる大きな木製建具に付け替えることで、玄関扉としての風格を持たせています。
玄関扉を開けると、1階から3階まで伸びる階段があり、この特徴的な縦へと延びる空間を活かすべく、床面をディープブルーのカーペットとし、それ以外の壁、天井を白に統一することで、1階から3階まで 落ち着いたブルーが爽快に縦へと伸び上がる空間を実現しています。
急勾配の階段にはシンプルな形態の黒皮鉄製の手摺を設け、空間にアクセントを付けています。土間のタイルとカーペットの見切りになる部分には黒皮鉄製の薄板を上り框として設け、土間タイルとカーペットをシンプルに繋ぎ合わせています。
執務空間は一つながりの大空間として計画し、将来的な変更にも対応しやすい機能的な空間としています。
黒皮鉄製の造作や木製の扉は使われ続けることで風合いが生まれます。素材自体の持つ風合いと、手仕事が加わることで温かみが生まれ、それらをこの建築に込めることを想いながら、設計をしました。

DATE

所在地神戸
用途事務所
構造S造
延床面積約30㎡
階数地上4階
既存の外観
黒皮鉄の手摺
黒皮鉄の上り框
打合せスペース